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先月の歌舞伎座の感想です。観に行ったのは13日の金曜日です。 『葛の葉』・・・魁春さん初演の葛の葉です。門之助さんが保名という、珍しい顔合わせです。 筋書によると魁春さんは左利きだそうで、例の曲書きがほとんど苦痛でないというのがおもしろいですね。ただし、字はさほど上手ではありません、というより素晴らしい書になっている人はまだ見たことがありませんが・・・。 母としての情愛を見せるところ、魁春さんらしい柔らかみ、丁寧さがでて好印象でした。ただ狐の妖しさには少々欠けていたようにおもえます。 門之助さんは、スーと立っている姿、形は抜群の品の良さ。ただし、動きはじめるとその品が崩れます。もったいないです。 見慣れた演目ですが、今回は結構新鮮な想いで観られました。 『寿曽我対面』・・・東京では4年ぶりの対面です。工藤に團十郎さん、十郎が菊之助さん、海老蔵さんが五郎という、最高の顔ぶれでしょう。 まずは海老蔵さんの五郎、花道の出からいまにも工藤につかみかからんばかりの迫力は、さすがです。本舞台に出てもその気迫はかわらず、なかなか良い五郎でした。ただ、早口のせりふになると、若干渋谷のアンちゃん風になるのが気になりました。助六の時にも感じたのですが、ついつい普段の口調が出てしまうのではないでしょうか。日常の会話から歌舞伎を意識していないと、違和感のある語調がでてしまうように思えます。 『熊谷陣屋』・・・2月の斬新な『陣門・組討』から8ヶ月、あの新演出を受けてどのような熊谷を見せてくれるのか、楽しみにしていたのですが、いままでと変わらぬ内容で、がっかりでした。 前回との整合性をとるのなら、もっと前半から泣くような気持ちが出るべきでしょう。それを「ミステリアスな推理劇」(筋書より)というのは理解できません。 相模が芝翫さん、藤の方が魁春さん。段四郎さんが弥陀六。羽左衛門さんが亡くなって以来、左團次さんと段四郎さんがもっぱらこの役を演じていますが、いまのところ、一番の適役でしょうね。しかし、そのあとは、と考えると慄然とします。地方公演では弥十郎さんや我當さんが演じていますが、ちょっと弥十郎さんはどうなのでしょう。うまいへたの話ではなく、柄の大きさが邪魔になるように感じますし、まだそんな老け役を演じる年でもないですよね。吉弥さん、松助さんの早すぎる死が悔やまれてなりません。 『お祭り』・・・最後が仁左衛門さんの『お祭り』。最高です。 この日のお弁当・・・『まい泉』のロースカツ丼(渋谷東急) |
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